当サイトの各種記事やニュースサイトの報道などで既にご存知かもしれませんが、大手銀行・地方銀行・ネット銀行・フラット35取扱金融機関など、幅広い金融機関で住宅ローン金利の低下し、7月の住宅ローン金利は過去最低金利を更新する金融機関が相次ぎました。

人気を集める住宅ローンの金利タイプである当初10年固定タイプの住宅ローン金利は、0.4%~0.8%程度の水準を提示されています。特に0.6%~0.8%程度の金利を提示している金融機関が多くなっています。

住宅ローン金利は果たして一体どこまで下がるのでしょうか?住宅ローン金利がゼロになる時代が訪れることはあるのでしょうか?その前に、ウォールストリートジャーナル紙に興味深い記事がありましたので、ご紹介します。住宅ローン金利の大幅な低下につながった日銀のマイナス金利政策。中央銀行がマイナス金利政策を導入しているのは日本だけではありません。むしろ、先行して導入されていたのがヨーロッパで、その中でもマイナス金利が進んでいるのがデンマークです。デンマークでは、実際に住宅ローン金利がマイナスになっている事実があります。(デンマークに住んだことも行ったこともないので、ウォールストリートジャーナルの記事を参考に要点をまとめると、①実際にデンマークでは住宅ローン金利がマイナスになっている人たちが存在する、②ただし、マイナス金利となっているのはいくつかの条件に合致した人達で、デンマークの銀行もその人数を公開しているわけではない、③住宅ローン金利の低下を受けて、住宅そのものの市場が活況となり住宅が値上がりし住宅バブルのような状態になっている、④デンマークの民間銀行の収益力は低下傾向にあり中央銀行の懸念材料となっている。という事のようです。)

日本の場合、デンマーク程長期金利が低下しているわけではありませんので、すぐに住宅ローン金利がマイナスになることは無いでしょうが、①マイナス金利政策導入、②イギリスのEU離脱による世界経済の減退懸念に加えて、③更に日銀が大規模金融緩和に踏み切る、④中国経済が減退が歯止めが効かない状態となってしまうようなことになれば、更に長期金利が低下する可能性があります。そうすると、更なる住宅ローン金利の低下は期待できますし、そのタイミングではいよいよゼロ金利住宅ローンが現実的になってきそうですね。

日本においても都内を中心に住宅価格は切りあがっており、住宅ローン金利の低下により住宅市場も多少活性化してきているとみて良いでしょう。ただし、今、活況と言われているのはあくまでも借り換えの人たち(≒今から住宅を買うのではなく、すでに持っている人たち)と言われています。そういう意味では、成熟しきっている日本ではデンマークの動きとは多少ことなる動きを見せているのは事実です。

住宅ローン金利がそのうちゼロになるかも?と考えて様子を見るのは、大成功する可能性はそれこそゼロではありませんが、住宅ローン金利が反発して金利上昇してからでは遅いことを考えると得策ではないでしょう。