(2024年3月金利更新)

話題のがん保障・疾病保障付き住宅ローンとは?

最近の住宅ローンは金利の低さだけを競争するだけでなく、事務手数料や保証料にかかる利息以外の費用の安さや無料で利用できる疾病保障などのオプションサービスでの競争が進んでいます。

特にネット銀行の住宅ローンを中心に「無料の疾病保障がついてくる住宅ローン」を目にする機会が増えています。

 

住宅ローンの”疾病保障”は、一般的な団体信用生命保険(以下、団信)で保障される死亡や所定の高度障害状態に加えて、ガン(悪性新生物)・急性心筋梗塞・脳卒中の3大疾病や高血圧症・糖尿病などの5つの重度慢性疾患を保障する商品で、医療保険・がん保険に近い保険商品です。

基本的な仕組みは通常の団信と大差はありません。保険会社が定める所定の支払事由(保険金の支払い条件)に該当した場合に、保険金で住宅ローン残高が全額返済または一部返済される仕組みになっています。

一般的に、疾病保障付の団信は通常の住宅ローンの金利に年0.2%から年0.3%程度を上乗せることで付帯させることができて、住宅ローンの借り入れを行う時に、利用するかを選ぶことができる選択制となっていますが、ネット銀行を中心にこの疾病保障が無償で付帯される住宅ローンを提供するようになってきました。

今回は、費用負担がなく疾病保障が付帯される住宅ローンの代表的な存在と言えるSBI新生銀行(※1)、auじぶん銀行、住信SBIネット銀行の住宅ローンについて、人気を集めている変動金利で住宅ローンを借りるときの費用まで具体的にシミュレーションしながら比較したいと思います。

※1 正確には、疾病保障を付帯しない場合の事務手数料55,000円(税込)。病気やケガに対する保障を付けると事務手数料が110,000円(税込)になるので若干ではありますが費用負担があります。

ここでは、借入金額2,000万円、返済期間が25年という前提で返済金額をシミュレーションしてみたいと思いますので、参考にしていただければと思います。

まずは初期費用を確認してみましょう。

  住信SBIネット銀行(WEB申込コース) SBI新生銀行
(変動金利 事務手数料定額型)

auじぶん銀行

事務手数料(税込)

440,000円 110,000円 440,000円
保証料 0円 0円 0円※1
団信保険料 0円
その他費用(概算)

180,000円

※ネット完結で収入印紙代不要

185,500円
※抵当権設定・司法書士費用・収入印紙代などを含みます。条件によって異なります。

※ネット完結で収入印紙代不要(ただし電子契約利用手数料が税込5,500円必要)

180,000円

※ネット完結で収入印紙代不要

合計 620,000円 295,500円 620,000円

※シミュレーションは当サイトによるものです。必ず各銀行のシミュレーションで確認してください。

※1 審査の結果、保証会社を利用する場合は、保証料相当額を上乗せした金利が設定されますが、別途発生する保証料はありません

初期費用では手数料が低いSBI新生銀行がリード

初期費用は、事務手数料が110,000円(税込)のSBI新生銀行が最も低い結果になりました。(当たり前と言えば当たり前です)

住信SBIネット銀行を確認    SBI新生銀行を確認    auじぶん銀行を確認

次に金利や毎月の返済額と総返済額を確認してみましょう。

  住信SBIネット銀行 SBI新生銀行 auじぶん銀行
ローン残高
(元本)
2,000万円
借入れ期間 25年
返済方法 元利金等返済
金利プラン 変動金利

金利

2024年3月

年0.298%(通期引下げプラン)※1

年0.650%

HPご確認%(全期間引下げプラン)※2

(新規借り入れ時)

毎月の返済額

69,189円

 72,247 69,369円
返済額合計 20,761,139円 21,685,149円 20,815,513円

※1 物件価格の80%以下で住宅ローンをお借入れの場合。、審査結果によって金利に年0.1%~年0.30%上乗せされる場合があります。借入期間を35年超でお借り入れいただく場合は、ご利用いただく住宅ローン金利に年0.15%が上乗せとなります。

※2 審査の結果によっては保証付金利プランとなる場合があり、この場合には上記の金利とは異なる金利となります。金利プランが保証付金利プランとなる場合は、固定金利特約が3年、5年、10年に限定されます。

元金・利息の返済合計額(毎月の返済額の合計)では住信SBIネット銀行がNo1!

次に、初期費用と返済額合計を足し合わせた”総支払額”を比べてみましょう!

  住信SBIネット銀行 SBI新生銀行 auじぶん銀行
総費用 21,381,139円

21,980,649円

21,435,513円

※シミュレーションは当サイトによるものです。必ず各銀行のシミュレーションで確認してください。

総費用でも住信SBIネット銀行が1位です、ただしauじぶん銀行とSBI新生銀行との差もわずかとなっています。

住信SBIネット銀行をチェック!    SBI新生銀行をチェック!     auじぶん銀行をチェック!

注目の比較ポイントはここから!疾病保障の内容を確認してみましょう。

    SBI新生銀行 住信SBIネット銀行 auじぶん銀行
    安心保障付団信 団体信用生命保険・全疾病保障 がん 50%保障団信
疾病保障(責任)の開始日※ がん  なし 3ヶ月 91日目
脳卒中・急性心筋梗塞 なし 3ヶ月 なし
高血圧症・糖尿病・慢性心不全
肝硬変・慢性膵炎
なし 3ヶ月 なし
ガンに対する保障 月々の返済に対する保障 なし 就業不能状態が継続し、最長12ヶ月(支払限度期間36ヶ月)、月々の住宅ローン返済を肩代わりしてくれる保障 すべてのけが・病気で入院が連続して31日以上になった場合、また、以降入院が継続して30日に達するごとに毎月の住宅ローン返済額が保険金で支払われる(2020年8月3日より)
住宅ローン残高に対する保障 12ヶ月以上就業不能な状態が継続した場合、その時点の住宅ローン借入残高がゼロになる 責任開始日以降、初めてがんと医師に診断確定された場合、その時点の住宅ローン借入残高が50%になる。
脳卒中・急性心筋梗塞に対する保障 月々の返済に対する保障 なし ガンに対する保障と同じ ガンに対する保障と同じ
住宅ローン残高に対する保障 なし ガンに対する保障と同じ ガンに対する保障と同じ
高血圧症・糖尿病・慢性心不全・
肝硬変・慢性膵炎に対する保障
月々の返済に対する保障 なし ガンに対する保障と同じ ガンに対する保障と同じ
住宅ローン残高に対する保障 なし ガンに対する保障と同じ ガンに対する保障と同じ
疾病保障手数料   +55,000円(税込) 無料 無料
引受保険会社   太陽生命 SBI生命 ライフネット生命

 

まず、ガンに対する保障では”ガンと診断された場合”と非常に明朗な条件で住宅ローン残高が1/2になるauじぶん銀行に注目です。疾病保障については、表面上の保障の範囲だけでなく、「保険金が支払われる条件」がどうなっているのかは非常に重要ポイントです。例えば、早期発見で「ガン」と診断されたケースを考えてみましょう。auじぶん銀行のがん50%保障団信はガンが発見された時点で住宅ローンの残高が半分になります。その後、手術や投薬治療を行いながら就業を維持できた場合でも、住宅ローンの残高はもちろん半分になります。一方で、住信SBIネット銀行の支払い条件は12か月以上就業不能な状態が続くこと、になっています。つまり、先ほどのケースではauじぶん銀行の住宅ローンの場合、がんと診断された時点でローン残高が半分になり、住信SBIネット銀行の住宅ローンの場合、住宅ローンの残高が保険金で支払われない、という事になります。

ちなみに、12か月以上の就業不能となった場合でも、auじぶん銀行の住宅ローンの場合、ローンの残高は半分になるだけですが、住信SBIネット銀行の住宅ローンは、住宅ローン残高が全額保険金で支払われます。auじぶん銀行にも全疾病保障があり180日以上の継続入院で住宅ローンの残高が0円になりますので、auじぶん銀行の住宅ローンの疾病保障の手厚さがわかります。ただし、入院を伴わないケースでは住信SBIネット銀行の住宅ローンの保障の方が良いです。

なお、住宅ローン残高がゼロになる「がん100%保障団信」も取り扱っています。ご自身のがんに対する備えの考え方で最適な住宅ローンは変わってくることになりますね。

 

また、”auじぶん銀行のがん50%保障って、残高が半分になるだけ??”と懐疑的に感じていた方は、”診断されるだけ”で保険金が支払われるがん保障が費用負担なく付帯していることがどれだけすごいことかをご理解いただけたのではないでしょうか?さらに180日以上の入院で住宅ローン残高が0円になる保障もあって無料なのは驚異的としか言いようがありません。

 

本ページでは紹介をしませんでしたが、ネット銀行が取り扱うがん保障ではソニー銀行もがん診断団信(がん団信50)を無料で付帯させています。がんと診断されたときに住宅トーン残高がゼロになる保障、がん団信100の保険料も年0.1%と非常に魅力的な水準であり、見逃せません。

ソニー銀行のがん団信100

まとめ

日銀のマイナス金利政策や大規模金融緩和に加え、新型コロナウイルスのパンデミックによる経済的混乱やロシアをめぐる混乱の影響で世界経済の混乱は続いています。日常の生活は徐々に元の姿に戻りつつありますが、強烈な物価上昇は世界中で大きな問題になっており、金利の上昇で固定タイプと変動タイプの金利の差が広がり続けています。

今回は人気を集めている変動金利の住宅ローンで比較してみました。住宅ローン選びで最も重要なのは金利の低さですが、金利だけで住宅ローンを選択する時代は終わり、将来にわたってご自身・家族が安心して生活できる住宅ローンなのかを競っているのが、最新の住宅ローンです。

auじぶん銀行の住宅ローンは、そんな最新の住宅ローン業界に一石を投じる非常に優れた住宅ローンであることが今回の比較でもわかりました。

今回、SBI新生銀行の住宅ローンについてはあまり触れませんでしたが、「介護保障」という少し変わった条件です。介護状態になった理由を問わない点は優れていますが「要介護3以上」は、住信SBIネット銀行の住宅ローンよりも厳しい支払い条件と言えます。

最後に。住宅ローンの審査は銀行それぞれ特徴があり時間がかかります。

住宅ローンには審査があり、審査には時間もかかります。せっかく一番良いと思った住宅ローンに申し込んでも、万が一、審査に落ちてしまい、その後に次を探していては時間もお金も失ってしまいます。あらかじめ、いくつかの銀行に申し込んでみて事前審査をぐらいは確認しておくと良いでしょう。

もちろん住宅ローンの申込みは無料で行えますし、どの銀行のスタッフも丁寧にサービス内容を説明してくれます。時間の許す限り多くの住宅ローンを知って、その中から自分にあった住宅ローンを選ぶ事ができることでしょう。

住信SBIネット銀行公式サイトへ    SBI新生銀行公式サイトへ
auじぶん銀行公式サイトへ

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