住宅ローンを組んで住宅を購入したときに、税金が減額される住宅ローン控除。この住宅ローン控除の制度は、頻繁に内容が変更されています。

現在の住宅ローン控除の内容を確認してみましょう。 住宅ローン控除とはどんな制度? 私たちは、働いたり、資産運用などをして収入を得ると、金額により国に所得税を、市区町村などに住民税を支払います。

住宅ローン控除とは、ローンなどで住宅を購入すると、この所得税と住民税が減額(=控除)される制度です。

住宅ローン控除の制度は、2015年度の改正で期間が延び、2019年6月末までに住宅を購入して入居をすませれば、利用できるようになりました。

なお、住宅ローン控除の利用者は職業を問いません。住宅ローン控除の要件をみたせば自営業者も利用でき、自宅兼店舗の物件にも住宅ローン控除を適用できます。

 

住宅ローン控除の要件

住宅ローン控除の主な要件は次のようになっています。

 

 

住宅ローン控除の期間と金額

これから住宅を購入する場合、住宅ローン控除の控除期間と控除額は次のとおりです。

※「認定住宅」とは、「認定長期優良住宅」または「認定低炭素住宅」のことで、耐震性や省エネ性などが優れていると認定された住宅のことをいいます。 住宅ローン控除を利用すると、まずは、本来、支払うべき所得税額から、住宅ローン控除額である「年末残高×1%」(上限は「各年の控除限度額」)が控除されます。その結果、サラリーマンなど給与所得者の給料・ボーナスや、自営業者などで所得税を源泉徴収(=天引き)された収入があれば、金額によってはすでに支払った所得税が還付されます。 所得税額から住宅ローン控除額を差し引いて余りがあるときは、余りに相当する額を住民税から控除できます。ただし、住民税の住宅ローン控除は、所得税の課税対象となる所得金額の7%(最高13.65万円)が上限となります。

 

住宅ローン控除の手続きと必要書類

住宅ローン控除を受けるには、住宅を取得した翌年3月15日までに、税務署に所得税の確定申告をします。住民税については手続きはありません。 所得税の確定申告に必要な書類は、主に次のとおりです。

取得先が税務署の書類は、国税庁ホームページの「確定申告書等作成コーナー」にて、パソコンなどでの入力により自動的に作成できます。また、医療費控除を受ける場合など、他に確定申告が必要な事由がある人は、合わせて申告することができます。 2年目以降も住宅ローン控除を受けるには、原則として、住宅ローン控除期間の10年間、毎年、確定申告をする必要があります。ただし、給与所得者は通常、2年目からは年末調整で住宅ローン控除を受けることができます。そのときの必要書類は次のとおりです。

住宅ローン控除は、ご自身で申告しないと利用できません。忘れずに手続きするようにしましょう。

 

 

【解説】 はなFP事務所代表 松本喜子 Img22111 ファイナンシャルプランナー(CFP®、1級FP技能士)

ホームページ http://hanafp.jp/

岡山県生まれ。岡山大学大学院を卒業。 数少ない、保険などの金融商品を販売しないファイナンシャルプランナー(FP)。 法律事務所で働きながらFP資格を取得。企業内にて数百人のお客様からFPとして家計相談を受け、引き続き中立的な独立系FP会社にて経験を積む。 2010年には娘を出産し、専業主婦と子育てを経験。子育てを通して人生設計の大切さを再確認し、現在は「みんなを笑顔に!」をモットーに、個別相談、講師、コラムの執筆など、FPとして独立して活躍中。