2016年9月も中旬に差し掛かってきました。少し気が早いですが、2016年10月の住宅ローン金利の動向を予想してみましょう。ちなみに、9月は3月に次いでマンションの竣工が多い月です。当然、住宅ローンの借り入れを行う人も多い月と言われています。

 

前置きが長くなってしまいますが、9月に住宅ローンを借りて当初○年固定金利で借り入れを行って、当初期間が終了すると翌月以降の住宅ローンの金利が変更になることになります。そのため、10月以降の住宅ローンの返済額が増えるという人が実は多いタイミングでもあるのです。残念ながら多くの人が実際に住宅ローンの返済が行われて気づいたりしているようですね。このページをご覧になっている皆様はきっと計画的に住宅ローンを考えている方々だと思いますので心配するまでではないと思いますが、住宅ローンは審査完了まで時間がかかります。人気を集めているネット銀行の住宅ローンであればなおさら審査に時間がかかる傾向にあります。早めに住宅ローンの申し込みを行うように心がけましょう。

 

さて、2016年9月は前月比でやや住宅ローン金利が上昇しましたが、10月はどのように予想すれば良いのでしょうか?いつもの通り、見逃せない指標の1つである長期金利の利回りの動きを確認してみましょう。以下は2016年9月9日(金)時点の長期金利(10年もの国債)の利回りを示したグラフです。(過去12か月)

 

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2016年7月27日以降急激に長期金利が上昇し、8月の中旬以降は横ばい傾向が続いていることがわかります。9月の住宅ローン金利は8月末ごろに決定する金融機関が多くを占めます。従って、10月の住宅ローン金利の予想は、簡単に言えば9月末頃の長期金利がどの程度の水準にあるかを予想するのと、大差ない作業になります。それでは、9月末の長期金利はどの程度の水準にあると予想されるのでしょうか?

 

2016年9月末の債券市場を予想するうえで、触れないわけにはいかない経済イベントが9月20日・21日に開催されます。2016年の住宅ローンの超低金利の引き金になった日銀の政策決定会合ですね。今月は政策金利を決定する月ですのでただでさえ注目を集めていたのですが、黒田日銀総裁、中曽根日銀副総裁が揃って、更なるマイナス金利の導入判断を辞さないという考えを示したことで、多くの人々の注目を集めている状況です。

 

焦点は「更なる金融緩和(例えば、マイナス金利の拡大(いわゆる利下げ))」に踏み切るのかどうか、です。シナリオは簡単に言うと2つです。「市場の予想以上に強力な金融緩和の実行を判断する」ケースと「金利据え置き(もう少し様子をみると判断する)になる」ケースの2つですね。前者は長期金利の急激な低下に繋がる判断になりますし、後者は数カ月ぶりの長期金利の「プラス圏突入」に繋がると考えてよいでしょう。

 

まだ開催されてもいない日銀政策決定会合の判断を断定するのは難しいですが、筆者は「金融緩和は見送りになのではないか」と予想しています。確かに円高は多少進行していますが、日本企業に大ダメージを与えるほどではないですし、株価も比較的堅調に推移しています。金融緩和はすでに限界を突破しているとさえいわれています。これ以上の追加の金融緩和を実施するには、明確な課題と明確な目的が必要であり、現時点ではそのような状況ではないと考えてのものです。

 

さて、上記の予想を更に補足すると、長期金利は日銀政策決定会合直後に急激に上昇し、その後徐々に低下し再びマイナス圏に突入して10月を迎えるのではないかと考えています。

 

従って、10月の住宅ローン金利は「据え置き」と予想します。「据え置き」が維持されれば、十分に歴史的な低金利が維持されているわけですから、住宅ローン検討中の人にとっては非常におトクな状態が続くことになります。

 

なお、変動金利の住宅ローン金利は変わらないとみて良いでしょう。現在のところ、変動金利が上昇する要素は乏しいままですし、一部の銀行の変動金利は0.4%台の低金利水準であり、年初の時点からほぼ引き下げ余地は少ない状況にあります。

 

2016年10月の住宅ローン金利動向の予想

 ・変動金利は据え置き。引き続き0.4%台の超低金利を提示しているネット銀行などが人気を集める

 ・10年以上の固定金利は据え置き

 

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