住宅の建て替えや住み替え、リフォームなどをしたい60歳以上の人を対象に、土地・建物を担保として融資するローンの取り扱いが、地方銀行を中心に増えています。

こうしたローンでは、元金を返済するのは借りたその本人ではなく、その家を相続する子供で、子供は家を売却し返済できる仕組みになっています。高齢者が生存中に全額返済するというよりは、相続者が家を売却することで一括返済することを想定しているようです。借り手である高齢者が「自分の死後は家は売却して良い」と考える場合は利用価値のあるものなのかもしれません。

 

この住宅ローンの大きな特徴としては、借り手がローン返済ができないリスクに備え、銀行側が保険に加入します。住宅金融支援機構が提供する保険を活用するのは、地方銀行を中心に13行。りそな銀行と埼玉りそな銀行がはじめた「あんしん革命」もその一つです。借り手の所有する、または購入する家を担保に融資されます。

 

また、一般社団法人移住・住みかえ支援機構(JTI)の保険を活用したローンも取り扱い銀行が増えており、現在では8行が取り扱っています。この制度では、家を貸すことによっていられる賃料収入の権利を銀行が担保にとります(家も担保になることも)。借り手は賃料収入を元手としてローンを返済します。資金使途が事業、投資以外で自由なため、生活費に充てられることもあります。

 

その他、高齢者向けローンではリバースモーゲージ が有名で当サイトでもご紹介しています。リバースモーゲージが都市銀行を中心に取り扱いを行う銀行が増えています。 こちらも資金使途が事業、投資以外で自由なため、生活費に充てられることもあります。

 

こうした住宅を担保としたローンの注意すべき点としては、第一に、こうした住宅を担保にした融資では、市況が悪化し担保価値が大幅に下がった場合、家を売っただけでは返済しきれず追加負担を求められる可能性があること。また、借りた本人が亡くなった後、返済を遺族が担うことを忘れてはなりません。家族に十分に説明することはもちろんのこと、法定相続人への説明を前提とする銀行もあります。それから、銀行側の保険料や手数料の負担にともない、通常の住宅ローンよりも高金利となることにもご留意ください。