初めて住宅ローンを組もうとしている方は手続きの煩雑さや住宅ローン審査に通るか?住宅ローンを組めたとしてもキチンと長期にわたり返済していけるかなど多くの不安を抱えることが多いのではないでしょうか。

首都圏を中心に住宅価格が上昇してはいますが、住宅ローン金利が歴史的な低水準であり、マイホーム購入を前向きに検討されている方も多いと思います。

今回は初めて住宅ローンを組もうとする方に、住宅ローンを組む前に一読いただきたいことをまとめました。

ご自身で住宅ローンをどのように活用したいかで住宅ローンを申し込む金融機関も変わってくる可能性がありますので、最後までお付き合いいただけると幸いです。

1.頭金をいくら用意するべきか

昨今、購入する住宅価格の20%の頭金は用意するべきと言われてきました。これは、住宅価格=住宅ローン借り入れ金額とすると借り入れ金額が大きくなり、月々の住宅ローン返済額や支払い金利の負担が重くなるためです。

ただし、今日では住宅価格が上昇しているため、頭金を貯めているうちにさらに住宅価格が上昇してしまったり、過去最低水準の住宅ローン金利が上昇してしまい、結果的に住宅購入に関する総支払い金額が膨らむ可能性も排除できませんので、頭金を貯めることに固執しないことも必要そうです。

なお、住宅購入時には住宅ローン事務手数料、保証料(ネット専業銀行以外)、登記費用、仲介手数料(中古住宅の場合)などで3000万円の住宅購入時で中古の場合で200万円、新築でも100万円程度の費用は必要になり、この費用は頭金として準備しておく必要があります。

2.いくら借りれるのか

住宅ローンをいくら借りれるかは原則、住宅ローン申込者の年収に応じます。つまり年収が多いければ多いほど多くの住宅ローンが借りれることとなります。ただし、一般的な金融機関の住宅ローン貸し出し可能限度額は1億円となっています。

本題のいくらまで借りれるか?という点ですが、年収の7倍程度まで借り入れできるという金融機関が一般的です。

なお、民間金融機関と住宅金融支援機構が提携して提供されいているフラット35であれば、返済比率という計算式があり、もう少し厳密な計算式があります。

年収 400万円未満 400万円以上
総返済率 30% 35%

具体的には年収500万円の方であれば、35%をかけた175万円が年間の返済可能金額となり、月々の支払いは14万5000円程度となり、2016年12月の楽天銀行フラット35の1.1%という金利から計算すると借り入れ可能金額は5,052万円となります。年収7倍とは少しかけ離れた結果ですが、これは公的なローンであり、住宅ローンの審査基準が民間の住宅ローンと異なるためです。

フラット35の返済率の計算時は他の自動車ローン、教育ローン、カードローンなどの月々の返済も加味したものになるため、仮にこうしたローンの利用があれば、借り入れ可能額は少なくなります。

3.住宅ローンの厳しい審査?

住宅ローンは最長35年という長期にわたるローンであり、カードローン、自動車ローンよりも審査が厳しいと考えてよいでしょう。

平成28年3月に国土交通省が全国の民間金融機関1369社を対象に住宅ローン審査に関する調査を行った結果を発表しており、当サイトでもこの結果をご紹介していますので、ぜひご一読をお願いします。

この調査が住宅ローン審査で考慮する項目として書く金融機関は完済時年齢99.3%、健康状態98.4%、担保評価97.8%、借入時年齢97.5%、勤続年数96.4%、年収95.6%、連帯保証92.6%、営業エリア92.4%、返済負担率87.4%、カードローンなど他のローンの状況や返済履歴77.5%、雇用形態77.1%という割合を回答しており、金融機関は住宅ローンの審査結果について詳細を開示することはありませんので、興味深い調査と言えます。

4.金融機関ごとに審査基準(厳しさ・甘さ)が異なる

住宅ローン審査と一言で言っても、金融機関ごとにその審査基準は異なります。特に注目したいのは、金融機関の経営規模による審査基準の違いです。地元の信用金庫がメガバンクと同じ審査基準をしていては、信用金庫に顧客が流れるがないのは想像が付くかと思いますが、経営規模ごとに審査基準の厳しさ・甘さの違いが出ると考えてよいでしょう。

この違いを利用し、経営規模ごとに複数の金融機関に住宅ローン審査を申し込むことを考慮されてはいかがでしょうか。

当サイトでは最低3つの規模での住宅ローン審査をオススメします。

カテゴリ 金融機関名 オススメ理由
フラット35 楽天銀行  フラット35は政府が展開する国のローンであり住宅ローン審査基準が極めて寛容になっています。住宅ローン審査に不安がある方には外せない住宅ローンと言えます。
ネット専業銀行 auじぶん銀行住信SBIネット銀行  住宅ローン金利の安さと言えば、ネット専業銀行です。店舗での対面相談ができないなどのハードルはありますが、金利の安さではダントツのコストパフォーマンスを発揮します。
メガバンク・大手地銀  みずほ銀行、三菱UFJ銀行 日本を代表する金融機関で生涯の買い物をする安心感は捨てがたいものがありますね。 

5.金利タイプの違い

住宅ローン金利には大きく分けて2つのタイプがあります。1つ目は変動金利。金融機関の定める短期プライムレート1年以内の貸出金利を決める際の規準に準じて変動金利が決定され、長引く低金利政策でも変動金利がもっとも低い住宅ローン金利を実現してきました。しかし、短期プライムレートという名前のとおり、仮に市場で金利が上昇すれば変動金利も準じて上昇するという性格のものです。

もう1つは固定金利です。2年から35年まで数多くの年限の固定金利がありますが、決められた期間はその中で金利が上がろうが下がろうが契約した年限の間は金利が変わりません。日銀が採用したマイナス金利政策・ゼロ金利政策で金利が急低下した影響で10年固定金利が変動金利を下回る現象が発生しています。

歴史的に見て異常とも言える超低金利が続いていますので、足元では固定金利に人気が集まっているようです。

6.当初引き下げと通期引き下げ金利の違い

住宅ローンには設定された「当初」の期間だけ金利が割安になるタイプと、住宅ローン完済までの「通期」で金利が割安になる2つのタイプが存在しています。一般的には当初引き下げの方が金利が安く設定されています。

当初引き下げ金利で注意しなければならないのは、「当初」の経過後に住宅ローン金利が上がり、月々の住宅ローンの返済額が増える点です。「当初」の期間だけを見て、住宅ローン選びをしないようにしましょう。

7.ボーナス併用返済を行うか?

住宅ローンの返済には月々決まった金額を支払うのはもちろん、ボーナス支給月に住宅ローン返済額を増やす返済方法があります。もちろん、ボーナスを原始に返済をするわけであり、支払い能力が増えて見えますので借り入れ可能金額も多くなります。しかし、景気の浮き沈みが激しい世の中になる中で住宅ローンが完済する35年先までボーナスが期待する水準で支給される自信を持てる方はなかなかいないのでしょうか。住宅ローンの返済に窮することを防ぐためにも、ボーナス返済を選択されないのが好ましいのではないでしょうか。

8.住宅ローンの付加サービスにも注目を

金融機関による激しい住宅ローン金利引き下げ競争により金融機関以外は金利以外の特徴を打ち出そうとしており、各金融機関でその付加サービスに大きな違いが出ています。主な付加サービスを持つ金融機関をご紹介したいと思います。

銀行名 付加サービス
auじぶん銀行 ガンと診断されるだけで住宅ローン残高が1/2になる「がん50%保障団信」が無料で付帯
住信SBIネット銀行 疾病保障が無料で付帯
イオン銀行 イオングループでの買い物が毎日5%OFFに
SBI新生銀行 要介護状態が180日以上継続した場合、住宅ローン残高がゼロになる安心保障付団信が無料付帯

多くの銀行の疾病保障がその症状が出ても365日以上継続しないと保障が受けられない一方、auじぶん銀行のがん50%保障団信はガンと診断されるだけで保障が受けられるため、医療保険や生命保険の見直しで保険料の節約も期待できます。

9.人生設計の再度の見直し

住宅ローンを活用しマイホームを購入したあとに、お子さんの増加・転勤などさまざまな理由で転居が発生すると、マイホームの売却・買いなおしを検討する必要があります。不動産の売却には不動産の仲介手数料が発生し、場合によっては売却損が発生し、住宅の売却代金で住宅ローンを完済できないリスクもあります。

10.金融機関に住宅ローン比較を任せない

住宅ローンを扱う金融機関には多く、どのように選べばよいか迷われる方も多いと思います。この際、金融機関に直接相談すればもちろん、自行の住宅ローンを勧めてくるのは間違いありません。何事も「比較をしない」ことが損をすることにつながります。

当サイトでは、住宅ローン金利以外の事務手数料や保証料を加味した「実質金利」での住宅ローン比較を行っています、この比較を実質金利での比較を行うだけでも住宅ローンのコストが大きく違ってきます。ぜひ当サイトを活用ください。

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