不動産調査会社の東京カンティは、7月30日、東京都内2014年の新築分譲マンションの平均価格は都民の平均年収の10.61倍(13年比0.82ポイント上昇)だったと発表しています。

この調査は、都道府県ごとに新築マンション価格を70平方メートルに換算し、各都道府県の平均年収で割り算出されたもので、首都圏9.68倍(同0.88ポイント上昇)。都道府県別で、最も大きかったのは京都府の10.98倍(同1.20ポイント上昇)。次に高かった石川県は10.97倍(同3.96ポイント上昇)と大幅な上昇となりました。このほか、東京都10.61倍(同0.82ポイント上昇)、神奈川県10.11倍(0.95ポイント上昇)と、4都府県が10倍を超えました。1位の京都府は富裕層向けの高級物件が多く供給されたことが原因だとされています。また、東京が10倍を超えたのは、90年代バブルや2000年代後半のミニバブル期以来。同社の高橋雅之主任研究員によると「当面は年収倍率が10倍を上回る状態が続く」とのことです。

一方、中古マンションの年収倍率は全国平均で4.92倍(同0.34ポイント上昇)。都道府県別で最も大きかったのは東京都の7.61倍(同0.41ポイント上昇)で、ミニバブル期の最高値(2008年7.69倍)に迫っています。京都府も7.27倍(同0.69ポイント上昇)と7倍超。新築にひっぱられる形で、物件価格の上昇が年収倍率の上昇に影響したものとみられます。ただし、新築との年収倍率の格差は2.25に拡大し、新築と比較した際の中古マンションの「割安感」は維持しているようです。

2014年東京都内の中古マンション平均価格は4%上昇の3,813万円。とりわけ、千代田、中央、港の都心や湾岸部を中心に不動産価格が上がっており、 東京23区に限ると5%上昇の4,203万円でした。立地の良い物件の目立つ2000年代前半の中古物件は、築年数が経過しても価格が下がりにくいとのことです。

今後も、日銀による金融緩和は継続されると考えられ、不動産価格が大きく下落する可能性は少ないはず。しかし、その一方で、ちまたでささやかれているアメリカの利上げ9月説(そうすると長期金利の上昇する可能性、そして住宅ローン金利も上昇可能性大です)、中国バブルの崩壊と人民元の切下げがあり、世界経済の先がみえにくくなっています。不動産を購入したい場合、そのタイミングには常に注意していきたいですね。