財務相の諮問機関である財政制度等審議会は、政府が今の財政健全化の目標を達成できたとしても、その後に更なる財政健全化対策を講じなければ、2060年度に国の借金は8,000兆円を超えるとの試算を公表しました。

この試算によると名目経済成長率を3%、実質で2%と想定、税収などで経費をどれだけまかなえるかを示す基礎的財政収支が2020年度に黒字化したとしても、その後に財政健全化に向けた対策を講じなければ、2060年度の国の借金は8,150兆円に上るとしています。

途方もない金額であることは間違いありませんが、名目経済成長率3%が続いた場合に、2060年には日本のGDPは2,000兆円近くに達する「計算」になり、借金8,000兆円はGDPの4倍の借金ということになります。 現在は、GDP約500兆円に対して借金は約1,000兆円となっており、その比率は2倍なっています。

 

この試算から現在、政府・自民党が歳出削減に向け動いて、その目標としている基礎的財政収支の黒字化では財政問題が何も解決しないことが明らかになっています。

 

46年後の試算であり、不確定要素も多いためにこの試算が実現されるという確信はありませんが、日本の財政が厳しいという事実に変わりはなく、税収と支出の割合を増やすという政策的な問題はもちろん、インフレを起こし借金を目減りするしか現実的な政策がないのではないと思われます。

GDP比の借金比率2倍を維持するためには、支出を劇的に減らすか、税収を劇的に増やすかのいずれしかありません。

支出を劇的に減らすことは高齢化による年金・医療費の急増、税収を劇的に増やすことも国民生活に直結するため厳しいでしょう。

アベノミクスがこうしたインフレによる借金の目減りを意識しているかは疑問ですが、日本にはこれを通じた財政健全化しか道がないのは事実でしょう。

 

こうした政策は実現された際には、インフレ社会に向け金利が急騰するのは必至です。 金利上昇幅が2%で済むのか、3%で済むのか、それをさらに上回るのかは定かではありませんが、住宅ローンという金額の大きい借金に与える影響は重大です。

今後住宅ローンの借り入れや借り換えを検討する際には、長期固定金利での借り入れも検討したいところです。