先日の朝日新聞に興味深い記事が掲載されていましたので紹介します。

 

その記事の内容はスウェーデン中央銀行(日本で言う日本銀行)にあたるスウェーデン国立銀行の副総裁へのインタビューとなっています。スウェーデンでは、日本より先にマイナス金利政策を導入しており、2016年2月にはスウェーデン国立銀行の金利が▲1.25%まで引き下がる等、マイナス金利政策に関しては日本の一歩先を行っている状況です。

 

さて、その朝日新聞へのインタビューへの回答によると、そんなスウェーデンでは住宅市場・住宅ローン市場に少し異変が出始めており、中央銀行副総裁の立場として懸念を示しているようです。

 

「マイナス金利政策が、住宅市場を過熱させ、(値上がりする住宅などを買うため)家計がお金を借りすぎていることが我々のいちばんの頭痛の種」

 

スウェーデンではマイナス金利政策の導入後、物価が上昇基調を維持するなど、住宅そのものの価格が上昇しています。一方で、この低金利の住宅ローンの借り入れのチャンスととらえて、「住宅ローン金利は低いし、多少値段が高くても住宅を購入する(=借り入れる金額は大きい)」家庭が増えているという事になりますね。具体的には、スウェーデンの一般家庭が自由に使える可処分所得に対する借金の割合は、直近の調査で約180%となっていて、マイナス金利導入前後にあたるこの2年間で10%程度増加、その傾向は今後も続き、2018年には190%になる見込みを立てているそうです。

 

「収入に対する借金の割合が右肩上がりで、借金の増加の一端を担っているのが住宅購入時の借金にあたる住宅ローン」という事ですね。

 

マイナス金利の導入で住宅ローンの金利が低下しているのは日本においても同様です。また、不動産価格が上昇基調にあるという点も日本も同じ道を歩んでいると言えるでしょう。ただし、今のところ、1点大きな違いがあります。「日本においては住宅ローンの借り換え」が過熱していますが、住宅ローンの新規借り入れはそこまで過熱していない、という点です。

 

住宅ローンをすでに借り入れている人、つまり、住宅を購入済みの人にとっては、低金利の住宅ローンに借り換えるのはメリットの方が圧倒的に多いので、悩んでる場合ではない、と考えている人が多いということですね。しっかりと金利の動きをチェックして住宅ローンをしっかりと管理している家庭が多いことに驚きますね。住宅ローンの金利が下がるという事は、借金の返済ペースも速めやすくなることを意味しますので、スウェーデンの逆の動きになっていく可能性すらあります。

 

マイナス金利政策はヨーロッパでの先行導入が進んでおり、日本はそれらの国のマーケットや経済に与える影響を確認しながら微調整が行いやすい立場にあります。今はまだその傾向は少ないようですが、スウェーデンの中央銀行の副総裁の悩みの種、日本銀行も1年後に抱える事の無いように適切な政策を行ってほしいものですね。

 

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